この風にこころ啓けば聞こえくる 今は昔、とある国での物語

時空間絵巻Vol.7 ラ・ボエーム (読み替え演出)

美を讃え、自由を求め愛を信じる。
これがこの世の真実と、その矜持に心奪われた僕は、愛が何かも知らず、ただただ無邪気なだけだったのかもしれない...
ボヘミアニズムを追い、未だ「ミミ」の死という現実を直視出来ない「ロドルフォ」は、彼を励まそうと集まった
「マルチェッロ」「コルリーネ」の前で、優しくも悲しい愛の奇跡を見る

構成/脚本 
赤穂隆史
音源制作  
上畑正和

あらすじ / Summary

 夢を追う若き芸術家たちが集い、美・自由・愛を信条とした“ボヘミアン”と呼ばれていた頃のフランス。
詩人の「ロドルフォ」、画家の「マルチェッロ」、哲学者の「コルリーネ」も貧しいながら希望を胸に創作活動をして暮らしていた。

 この物語はそんな青春時代を過ごし、今では各々が違った人生を歩み始めた時期に、当時恋人の「ミミ」を病で失って以来塞ぎ込んでしまった「ロドルフォ」を励まそうと数年ぶりに友たちが酒場に集まった日の出来事である。

 久しぶりの再会に未だ「ミミ」の死を引きずっている「ロドルフォ」も元気に振舞っていた。「マルチェッロ」と「コルリーネ」はそんな「ロドルフォ」を見てあえて「ミミ」の話題に触れずにいたが、逆に友に気遣いはさせまいと「ロドルフォ」から「ミミ」との馴れ初めを語り始める。

 するとその酒場に亡き「ミミ」の霊が現れる。最初は「ロドルフォ」だけがその気配を感じていたが、次第に声、そしてついには姿さえも3人の前に現す「ミミ」。彼女は「ロドルフォ」に別れを告げた日の、「ロドルフォ」が知らない出来事を知らせることで、彼を大切に想う本当の気持ちを伝えようとしていたのだった。

(※この作品は、オペラ「ラ・ボエーム」を基に時空間絵巻として読み替え演出をしています)(※この作品は、オペラ「ラ・ボエーム」を基に時空間絵巻として読み替え演出をしています)

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